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熊谷 友多; Fidalgo, A. B.*; Jonsson, M.*
no journal, ,
核燃料の水との接触は使用済燃料の直接処分や過酷事故後に予想される。水との接触下で放射線作用を受けると、水の分解によりHOなどの酸化性化学種が生成されるため、燃料を構成するUOが表面から酸化され溶解することが知られている。そのため、燃料からの放射性核種の放出挙動を推定する上で、UOの酸化的溶解反応に関する理解は欠かせない。本研究では、この反応過程に影響し得る因子として、UO固体中のU原子価および有機物の吸着を検討した。固相U原子価の影響については定比UOと過定比UOを比較した。UOに比べて、UOはHOに対して高い反応性を示すが、反応の進行に伴う速度の低下が観測された。この反応性低下の過程ではUの溶出が抑制されており、UOの酸化的溶解は表面過定比層の形成を伴うと考えられる。有機物の吸着についてはフタル酸をモデル物質として実験を行った。1分子/nm以上のフタル酸の吸着が観測され、線照射によるUの溶出は抑制されたが、HOとの反応には有意な影響は観測されなかった。そのため、照射下でのU溶出抑制はフタル酸由来のラジカル種によるものと考えられる。
熊谷 友多; Jonsson, M.*
no journal, ,
使用済核燃料の直接地層処分では、地下水が処分システム内に浸食し、最終的には燃料と接触することが想定されている。地下水と接触した燃料の表面では、水の放射線分解の作用により、二酸化ウラン母材が徐々に酸化され、水に溶解する。地下水中には天然の有機物が含まれることから、本研究ではフタル酸をモデル物質として、有機物の吸着が二酸化ウランの溶解反応にどのような影響を及ぼすのかを実験により調べた。まず、フタル酸水溶液中では、二酸化ウラン表面へのフタル酸の吸着が生じ、フタル酸の濃度が高い場合には吸着量は表面の80%に達した。フタル酸の吸着した二酸化ウランに対して、水の放射線分解の模擬として過酸化水素を反応させる実験を行ったところ、高い吸着量に反して、吸着質を含まない水溶液中と同程度のウランの溶解が観測された。この結果から二酸化ウランの表面酸化反応はフタル酸の吸着の影響をほとんど受けないことが分かった。